à la carte #2

前書きは満月に委ねたまま
涼しい表情かおして立ち尽くす
過去を装いきれるだろうか
冷酷も冷静も熱でとかされ
今だからこそ聴いてほしい
どのみち全てはこの前奏曲プレリュード

怪人の声を聞くための対価
免罪符の先に陽射しの断面
舞台裏で待ち続ける緑のつぶ
桃源郷へ連れ去る私の怪盗
懐中時計が導く仮面舞踏会

万年雪をあかく染める欺瞞
幻聴があの人の正体を告げ
狂詩曲もクリスタルも空虚
うつくしさの中でさまよう

変奏曲に託す失われた詩篇
原石のように輝く空の上弦
ジャスミンの日の午前四時
残夜が生みだした一角獣座
いつも本当の君は見えない

鍵の在り処は二人の住処
輪の綻びはちいさなしわ
いつもどこでもさみしい
そのままでいるための嘘
憂いの種が育つまでの塔

勿忘草とねがいの丘に咲いた永久
たしかにあの日夢で約束しました
春雨は紅も季節も淡い思いも流し
胡蝶の夢をいつまでも見続けた子
梅の香りで真実を知るのでしょう
今ではあの悲しみさえもいとしい
奪われた日々にもう一度強く誓う
もしもいつか苔になる日がきても
残り香だけでは思い出せないもの
でもいいよ、思い出さないままで
少しもあの頃と変わらない私です

分かってくれると嬉しいわ
ずっと「まて」飽きもせず
必ずなんて言っていいのか
罵倒のコトバにしなければ
勝手に染め上げてしまう赤
立派な言い訳をたてまつり
野良猫の目つきだったもの

ゆらめく眼の繭
膿んだ水を憂う
歴史の砂であれ
今生きていたい
違えてしまった
奥には透明の顔
すでに土は増す



文字数に加えて、最初と最後の文字を合わせた点にも注目してくださいね☺︎
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