自分ひとりの家
モノアモリー再考
クィアプラトニック/ひとりの家
〈家〉という境界線
境界 | // ¦ ケア


同居なんかしていなければ
我慢する癖
痛みを痛みとして認識させない
役割に組み込まれた負担
溶けあえばいつの間にか飲まされていた拘束具
恐ろしく長期的な恐ろしい約束
別居は不仲の象徴じゃない

奪い合わない三角関係
相合傘をしても変わらない関係
破綻込みでなかよくしよう
〈つがい〉にならない距離
〈なかよし〉のあらゆる距離

自分自身を置き去りにしないために


・・・




〈性交する〉がひどく身近にある社会で
選択したと思い込むように
追い込むように選択肢を隠す世界で
〈性交しない〉しか選べない

恋人の役を着れなかった
性的に使われることのないベッドがうれしい
違和感が導いてくれたんだ
肉体を欲しないひとがすき

言わなくても通じると思ったのはなぜ?



プラトニックから〈純〉の意を剥がしたい


・・・




明言しないと取り込まれてしまうから

恋じゃないって伝えておくね
愛に変換しないでほしかった
私の想いにがっかりした過去の人たち
距離は近ければいいというものではない
愛しあわないままでしあわせなのに

本当に〈選び取る〉をしていたのかな
どれが自由だったと言えるだろう

愛だと断ずることで失われていくもの
独占は暴力への道を示す
愛ではなく支配欲だったと今なら分かる
だれにも支配されない生活
だれにも所有されない人生
他人の「ご主人」になれる人間などいない


・・・




「それっていいの?」から始まった

私の意志ではなかったはずだ
人間的かどうか——決められる人間はいない
被害者らしさなど存在しない
楽しんでいると侮られ、怒れば揶揄される
苦しみを見せないと苦しみが分からないの?
悲しみは共感されるのに、
怒りが疎まれるのはなぜ?

承認と認知のちがい
侮る方がわるいのだ
違和感を掬い上げる
だれにも希望を託さない


これは自立の話ではない
〈旧い〉に逃げて安心しないこと
欠落とみなす社会に欠落しているものは
滅ぶ これは修辞ではない



望むのは私の包摂ではなく、規範の崩落


この憎しみを悪用されないように

過去の過ちと向き合い学びつづけるために

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