運命の遺物ゆいもつ
懐かしさを朝明けと分け合う ざらざら夜桜のうた 言語的な絵画 にじんで、ぼやけて、やがてかすれて、 雨夕桜の残痕 白日夢/自転車のベル 靴の裏に付いていた思い出の破片 雨の黙するとき スペードとクローバーのコーディアル 簡単そうに見えるもの 幼少期の写真 照り映えるレジャーシート 泥土というカーディガンを羽織った花片を 昼下がり、ピアノの練習をしているのが聞こえた